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四国ビジョン15 ワットビット連携と地方DC-6/7 ギガワット級データセンター、政府が地方に集積拠点を整備するワケ

 政府は2030年代にも地方でギガワット(ギガは10億)級のデータセンター(DC)集積拠点の整備を目指す。国内DCは運用効率などの観点から面積換算で約9割が首都圏と関西圏に集中している。政府は長期的に地方に集積拠点を複数造成することを見据え、地域の選定や電力・通信インフラの先行的な整備を検討。関連産業の集積による地域経済活性化や国土強靱(きょうじん)化などにつながるDC立地の分散化を目指す。


 電力と通信の両インフラの効率的な整備を目指す「ワット・ビット連携」の検討に向けた官民懇談会で方針が整理された。同懇談会は総務省と経済産業省が開き、有識者と東京電力パワーグリッド、NTT、ソフトバンクなど関係企業の幹部らが議論に参加した。初回のとりまとめでは、従来、関連インフラの整備は個々の事業者で進められてきたが、急速なDC需要拡大に対応するためには、分野横断での官民連携などを進めることが重要とした。


 原子力や再生可能エネルギーの発電所は地方に多く立地する。こうした脱炭素電源の近くにDCを集積させることで、インフラ整備と電力活用の両面で効率化が期待される。政府は今後、具体的な立地条件や候補地選定のプロセスなどを別の作業部会も含めて議論する方針だ。


 短期的にはウエルカムゾーンマップの活用などで電力系統余力があり早期に電力供給が可能なエリアへのDC立地誘導を目指す。通信遅延の低減により遠隔地のDC接続と運用効率化が期待される「オール光ネットワーク(APN)」など基盤技術開発も促す。


 生成AIの普及によるデータ処理量と電力需要は増加が見込まれている。電力広域的運営推進機関(OCCTO)は34年度の電力需要が24年度比6・2%増加すると予測し、DCと半導体工場の新増設で34年度に電力需要が715万キロワット上乗せされると見込む。官民が足並みをそろえ、AIの活用に不可欠なDCとそれを支える通信、電力のインフラの一体整備を図る。  2025.6.20 日刊工業新聞




 
 
 

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