日本の脱炭素化は、エネルギー政策のみならず、経済成長や国際的な競争力にも深く関わる課題。エネルギーの将来戦略が、一国の国力そのものを大きく左右する時代を迎えている。技術革新の不確実性に対応しつつ、脱炭素とセキュリティとコスト、この3つの最適な組合せを実現していくためには、総合的な国家戦略が必要。GXとDXを複眼的に捉え、意見を伺い担当閣僚と検討深めて行く。
1.電力投資の加速。AI(人工知能)が産業全体のゲーム・チェンジャーとなる中、メガデータセンターへの投資や最先端半導体の有無、これは一国の経済の成長力に大きな影響を与えます。データセンターや半導体製造のために必要となる、脱炭素電源の調達や、送電網への機動的な投資は、そのコストの何倍ものインパクトで経済全体の成長に寄与していきます。電力投資について、体制面での再編強化も含め、制度・資金両面で支援策を強化していく。2.投資リスクへの対応。脱炭素や、AI・デバイス技術の先行きによって、電力需要の将来見通しは、非常に大きな幅で振れます。技術動向次第では、LNG(液化天然ガス)サプライチェーンなど、巨額のインフラ投資が座礁資産化するリスクが指摘されており、各国企業に、新規投資を躊躇(ちゅうちょ)させる。 水素、あるいは、アンモニア、e-メタンなど水素デリバティブによる段階的なゼロエミッション火力の推進は、こうしたリスクに柔軟に対応していくために有効です。アジア各国と共にゼロエミッション火力の取組を加速する。3.我が国が優位性を持つ技術の実装の加速。日本が世界屈指の資源量を持つヨウ素由来のフィルム型ペロブスカイト太陽光電池。また、既存の電子デバイスに比べ、100倍ものエネルギー効率を実現する光電融合型の情報処理技術。さらに、素材産業の革新的脱炭素技術。これらにとどまらず、我が国が先進し、優位性を持つ技術の実装を加速して行く。
生成AI(人工知能)の普及を背景に国内でデータセンターなどの建設が相次ぐ一方で、大量の電力消費に対応する脱炭素電源の確保が不可欠となっている。会議には、米マイクロソフトの幹部らが参加し、データセンターを運営する上で実施している脱炭素の取り組みなどについて説明。NTTの副社長やAI研究者の松尾豊東大大学院教授らも出席した。
以上
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